皆さん、こんにちは。
今回は、全日本大学女子駅伝2021について、書いていきたいと思います。
私が駅伝にはまったのは2015年でしたが、そこから6年ほどは男子の駅伝ばかり見ていました。
女子駅伝も見始めるようになったのは、2021年から。たまたまテレビをつけていたら、女子の駅伝がやっていて、名城大学の圧勝、拓殖大学の不破聖衣来選手の驚異的な走りなど、様々な見どころがあり、「よし、これからは女子駅伝も見よう!なんで今まで女子は注目してこなかったんだろう。」と、興味と後悔の感情を持ちました。
今回は、私が女子駅伝を見始めるきっかけとなった2021年の全日本大学女子駅伝についての記事を書いていこうと思います。
この大会は名城大学が優勝を果たしました。総合記録は2時間2分59秒と、2位の大東文化大学を2分36秒引き離す圧倒的な走りでした。
名城大学の結果は
1区 山本有真 選手 区間賞
2区 髙松智美ムセンビ 選手 区間賞 区間新記録
3区 和田有菜 選手 区間賞
4区 谷本七星 選手 区間賞 区間新記録
5区 小林成美 選手 区間3位
6区 増渕祐香 選手 区間賞 区間新記録
と6人中5人が区間賞を獲得し、5区の小林選手も29分28秒の好タイムで区間3位と、全員が快走をして名城の強さを見せつけた大会となりました。
唯一名城大学が区間賞を譲った5区では、不破聖衣来選手が9.2kmを28分00秒と驚異的な記録を出しました。この記録は2025年現在でも更新されておらず、今後もなかなか破ることは難しいのではないかと思います。ですが、28分台で走る選手も何名か出てきており、もしかしたらがあるかもしれませんね。
さて、レースを詳しく見ていきたいと思います。
まずは1区から。
名城は山本有真選手。大東文化大学は吉村玲美選手。日本体育大学は保坂晴子選手が起用されました。
スタートして、最初の400mを85秒ほどで通過、最初の1㎞を3分29秒とかなりのスローペースとなりました。立命館大学の村松灯選手が先頭集団の中央で引っ張り、レースが進みます。この時の山本選手は集団の左側中盤で走っており、抜け出すようなそぶりは見せません。1区の選手のなかでも、山本選手は5000mの自己ベストタイムがトップと、力が抜けていたので、ここは飛び出してレースの主導権を握るのかなとも思っていましたが、落ち着いた入りでした。
また山本選手は最初から保坂選手の後ろを走っており、過去のレースで山本選手は保坂選手に1秒差で負けていたことがあったので、もしかしたら最初から意識してマークしていたのかなと思います。
何人か集団からこぼれ落ちるものも、集団は大きく崩れることのないまま、3㎞を10分27秒ほどで通過。それまで1㎞あたり平均で3分30秒近くかかっていることになり、かなりのスローペース状態が続きます。このペースであれば、ほとんどの選手はかなり余裕があったでしょうね。集団の形が横に広がっていたので、走っている選手にとっても、このペースはスローだなと感じていたと思います。
駅伝をたくさん見てきて、1区で集団の形が横に広がるとスローでけん制しているな、逆に縦長になるとハイペースで叩き合っているなという感じがします。
箱根駅伝2021の1区でも、最初の1㎞が3分30秒程度、10㎞通過も30分を超えましたが、その時の集団の形も横一列に広がっていた記憶があります。
対して箱根駅伝2022年の1区では、吉居大和選手が序盤で抜け出しハイペースとなりましたが、その時の序盤の集団の形は縦長であったと記憶しています。
このように、集団の形からも、ペースや、選手の余裕度などが読み取れると思います。
4㎞~5㎞で集団のペースは上がったような気がします。保坂選手が集団の前に立ち、その他の選手も引っ張られるように、走りに勢いが出てきました。
5㎞を16分55秒で通過。依然として山本選手は保坂選手の後ろにピタリとつけています。
集団からこぼれ落ちる選手が増えはじめ、いよいよ1区も終盤戦に突入します。
5.7㎞過ぎ、カーブを曲がったところで保坂選手がスパート。山本選手が逃がさないとピタリと後ろに着き、先頭は2人に絞られます。この時かなりペースが上がっていましたが、山本選手の表情はサングラス越しではありますが楽そうでした。対して保坂選手の表情は苦しそうで、山本選手の方が余裕があったのかなと感じます。
6㎞地点で山本選手が首位に立ち、ストライドをグングン伸ばし、保坂選手を突き放します。
山本選手はサングラスをとり、中継所に飛び込みます。
余談ですが、山本選手は大学時代の駅伝はサングラスをつけていたときも、つけていない時もありましたが、つけていた時はすべて、中継所に入る前にサングラスを上げて、襷を渡していたと思います。
対して大学卒業後、積水化学に進んだ後のクイーンズ駅伝では、2023年、2024年の2回ともサングラスをつけていましたが、2回ともサングラスを上げずに襷を渡していました。
本人なりに何か意識していることでもあるのでしょうか。それとも無意識に行っているのでしょうか。真相はご本人しか分かりませんが、そういったことに着目して駅伝を見てみるのも面白いかもしれませんね。
そして、そのまま名城大学がトップで襷リレー。山本選手は21分48秒で区間賞を獲得しました。
1区の距離は6.6㎞。よって、山本選手の1㎞当たりの平均ラップタイムは3分18秒となります。序盤は3分30秒近くであったのを考えると、後半とてもペースが上がっていることが分かります。
(コースはずっと平坦なわけではなく、上り下りがあるので、一概には必ずしも言えませんが)
その後7秒差で松山大、日本体育大、城西大学と続きます。
序盤に集団を引っ張っていた立命館の村松選手はトップと22秒差の9位、大東文化大学の吉村選手はトップと28秒差の区間11位で襷を渡します。吉村選手は途中で転倒してしまったので、その影響があったのでしょうか・・・。残念でしたが、しっかり襷は繋いでくれました。
トップ通過から1分以内に20チームが通過する大混戦のまま1区が幕を閉じました。
以下に1区の個人順位と通過順位を整理しておきます。
個人順位 (5位まで、敬称略)
1位 山本有真 (名城大学) 21分48秒
2位 大谷菜南子 (松山大学) 21分55秒
3位 保坂晴子 (日本体育大学)21分55秒
4位 木村桜華 (城西大学) 21分55秒
5位 小林舞妃留 (大阪学院大学)21分59秒
通過順位(8位まで)
1位 名城大学 21分48秒
2位 松山大学 21分55秒
3区 日本体育大学 21分55秒
4位 城西大学 21分55秒
5位 大阪学院大学 21分59秒
6位 関西外国語大学 22分00秒
7位 大阪芸術大学 22分02秒
8位 東北福祉大学 22分03秒
(第39回全日本大学女子駅伝対校選手権大会 女子駅伝総合成績 参照)
1区を通して一番感じたのは、山本選手の保坂選手に対する「絶対に勝ちたい!」という執念でしょうか。スタートからラスト勝負になるまで、ずっと保坂選手の後ろもしくは近くを走っており、よほど意識していたのではと思います。また、序盤は集団の中で冷静に走り、最後に一気にスパートを仕掛けて区間賞をとったので、上手な1区の走り方をしたなと思います。
1区についてはこれくらいで終わりにします。
次回の女子駅伝の記事は、全日本大学女子駅伝2021の2区以降について取り上げたいと思います。
今回も読んでいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。